THE ANIMALS特集!
2010-10-27
『エリック・バードン:衝撃のボーカル
THE ANIMALS 特集』
エリック・バードンの心を揺さぶる魂の叫び!
そして、もう一つはアラン・プライスのセンスのいい
オルガン・サウンド。
この2つがTHE ANIMALSの大きな魅力ですね。
M. BOOM BOOM / THE ANIMALS
1曲目にお送りしたのは1965年にリリースされた“Boom Boom”。
黒人ブルーズマン:ジョン・リー・フッカーのカバーナンバーですね。
オールディーズ・ロックにも聞こえるし、逆に新しくも感じますよね。
THE BAWDIESなんかがやっててもおかしくない!
という雰囲気ですが・・・、
やっぱり、こういったスタイルは時代を超えて、
僕らを躍らせてくれますよね。
そして、エリックのハスキーなボーカル!最高ですよね。
M. 悲しき願い / THE ANIMALS 。
さて、2曲目にお送りしたのは、THE ANIMALSの1965年の
ヒットシングル“悲しき願い”です。
もともとは、ニーナ・シモンのジャズヒットでしたが、
1965年にアニマルズがカバーしてヒット。
日本では、尾藤イサオさんがカバーしてヒットさせています。
まず、イントロのリフ、というかフレーズが印象的ですよね。
このイントロフレーズは、オリジナルのジャズバージョンのエンディングに
少しだけ出てくるんですが、それをモチーフに、これだけインパクト大!
なイントロを作った、というのはバンドの功績ですよね。
さてさて、イギリスのロックバンド:THE ANIMALS。
中心メンバーは、ボーカルのエリック・バードンと、
キーボードのアラン・プライスです。
メンバーたちは、1955年ごろから様々なバンドで活動。
それこそ、キーボードのアラン・プライスはギターもベースも担当していたり、
エリック・バードンはトロンボーンをやっていたり・・・
と、まだまだ初期はジャジーでスキッフルな音楽に傾倒していたようですが、
1960年代に入って、徐々に音楽性はR&B、ブルースよりに変わっていきます。
そんな中、1963年にはメンバーも固定。
エリックとアランの他に、ベースのチャス・チャンドラー、ギターの
ヒルトン・バレンタイン、ドラムのジョン・スティールという5人組に
なりました。
そして、バンド名も確定します!
彼らのLIVE、そしてファンたちが余りにも熱狂的でワイルドだったことから、
自然と、“THE ANIMALS”に決まりました。
M. Baby Let Me Take You Home
/ THE ANIMALS
次にお送りしたのは、1964年の彼らのデビュー曲。
“Baby Let Me Take You Home”。
デビューナンバーでありながら、TOP20に入るヒットとなっています。
さてさて、バンドメンバーが固定してバンド名がアニマルズとなってから
あっという間にロンドンに進出。
そして、有名プロデューサーのミッキー・モストに見出されて、
あっという間にデビューにこぎつけた、本当にラッキーなバンドでしたが、
彼らの運はまだまだ尽きませんでした。
そう。1964年当時は、まさに時代はブリティッシュ・インヴェイジョンの
真っ只中!
エルヴィスが徴兵後、輝きを失って、それに変わる
新たなロックスターを求めていたアメリカに1964年2月にビートルズ初上陸。
あっという間に、アメリカ中を虜にすると、イギリスのバンドたちが
世界中でブレイクするようになっていきます。
そのドンピシャのタイミングでデビューしたアニマルズも、もちろん例に漏れず。
そして、次にお送りするセカンド・シングルで一気にUS、UKを制覇して
しまいました。
M. THE HOUSE OF THE RISING SUN
/ THE ANIMALS
次にお送りしたのは、問答無用の大ヒット曲。
全米、全英でナンバー1ヒットとなった彼らのセカンド・シングル
“朝日の当たる家”です。イギリス、スウェーデン、カナダでもナンバー1!
もちろん、ここ日本でも大人気の曲ですよね。
1999年にはグラミーの殿堂入りもしている名曲中の名曲です。
もともと、この曲は作者の分からないアメリカのトラディショナル・ソング。
それを、ボブ・ディランが1962年のデビューアルバムで取り上げて、
そして、1964年にアニマルズが大ヒットさせました。
完全にフォーキーなナンバーを、エレキギターの歪んだアルペジオで
アレンジしたこの曲は“歴史上最初のフォーク・ロック”とも
評されていますね。
ボブ・ディランが、フォークからロックテイストに方向性を変えていく
キッカケにもなった1曲、とも言われています。
さてさて、この曲で世界中で人気者となったアニマルズ。
ポップで分かりやすいビートルズとは明らかに異なる、
ブルージーでR&Bテイストの溢れた新たなロックサウンドは、
“通”な音楽として、ロックファンに深く愛されました。
M. BRING IT ON HOME TO ME
/ THE ANIMALS
次にお送りしたのは、1965年のヒット“Bring it on home to me ”。
当時、射殺されたばかりの偉大なR&Bシンガー:サム・クックの名曲の
カバーですね。
さてさて、ここまで聴いて分かるとおり、
初期のアニマルズ。ヒットは多いですが、その殆どがカバー曲、なんですね。
ここが、彼らがビートルズ、ストーンズ、ザ・フーなんかと
同列に語られない所以、でしょうね。
残念ながら、オリジナルの名曲を書く能力は欠けていた、
ただ、エリック・バードンの切々と訴えかけてくるパワフルで
物悲しいボーカルと、アラン・プライスのまるで歌うような
軽やかでハイセンスなオルガンサウンドは、アニマルズならでは、のもの。
逆に、なんちゃってR&B、なんちゃってブルーズばかりだった
イギリスのビートバンドたちの中で、一番泥臭くて本物のブルーズロックを
奏でていたバンドだった、と言っても過言ではないかも知れません。
M. メンフィス / THE ANIMALS
さて、アニマルズはその後、あっという間にグチャグチャになっていきます。
メンバー交代を繰り返しながら、1966年にはレコード会社を移籍。
1967年には、活動の場所をアメリカに移して、
エリック・バードン&ザ・アニマルズとしてサイケバンドとしてデビュー。
しかし、翌年の来日公演中に解散。
バンドは、バラバラになってしまいました。
まぁ、その後もエリック・バードンはボーカリストとして活躍。
アラン・プライスも映画音楽などで活躍しましたが、
メンバーの中で一番意外な活躍をしたのが、
ベースのチャス・チャンドラーでしょうね。
1966年にニューヨークのクラブでジミ・ヘンドリックスを見た彼は
その才能に心酔。
一緒にイギリス連れ帰って、彼のマネージャー、
そしてプロデューサーとしてジミ・ヘンドリックスを
一躍スーパースターへと仕立て上げました。
まぁ、どちらにしても1960年台中ごろのロックシーンで、
一瞬ではありましたが、アニマルズは圧倒的な輝きを放っていました。
やはり、偉大なバンドですよね。
M. It’s My Life / THE ANIMALS