the cardigans”LIFE”
2010-07-24
長崎のヤマサーキWESTさんからのリクエスト!
『北欧のシブヤ系!the cardigans“LIFE”特集』。
キュートなボーカル。
そして、60’sの雰囲気たっぷりのちょっと時代錯誤な音楽スタイル。
都会的なアレンジ。
外資系のレコード店、そしてFMラジオを中心に
彼らの音楽が、90年代中ごろの時代を席巻しました。
M. RISE AND SHINE / THE CARDIGANS
ロックの学園:名曲講座編:the cardigans“LIFE”特集。
1曲目にお送りしたのは、1995年リリースのそのアルバムから
彼らのデビューシングル『Rise and Shine』です。
ちなみに、この曲。LIFEの前年にリリースされた彼らのファーストアルバム
『エマーデイル』にも収録されています。
なぜ、このセカンドにも収録されているのか?
実は、このセカンドアルバムLIFEは、彼らの初めてのワールドワイド作品。
なんで、以前にリリースした曲も宣伝がわりに入れちゃおう!
と実はごった煮なアルバムになっています。
UK US 日本 スウェーデン盤と収録曲とか曲順がバラバラ。
だから、本当の『LIFE』はどれだか分かりません(笑)。
でも、やっぱり大名盤なんですね。
曲がいい、アレンジがいい、音がいい、とにかくセンスがいい!
M. Hey! Get Out of My Way / THE CARDIGANS
さてさて、the cardigans。
1992年にギターのピーター、ベースのマグナスを中心にスウェーデンで
結成されました。結成当時はヘヴィ・メタルをやっていた、らしいです。
まぁ、スウェーデンは、イングヴェイ・マルムスティーン、アーク・エネミー
なんかを生んだ、北欧メタルの聖地ではありますが・・・、
それにしてもカーディガンズの音楽性とメタルは・・・結びつきませんね。
そんな中、ポップソングの可能性に次第に興味を示し始めた彼らは、
アートスクールの学生だった女性ボーカリスト:ニーナをバンドに招き入れます。
そして、キーボードのラッセとドラムのベンも加入。
カーディガンズが完成します。
1993年には、更なる活躍の場を求めて、北欧音楽のメッカ:スウェーデンの
マルメという都市にバンドごと移動。デモテープを作成します。
そして、そのデモを聴いたのが、あの:トーレ・ヨハンソン。
運命が一気に変わり始めます。
M. Sick & Tired / THE CARDIGANS
あの:名プロデューサー:トーレ・ヨハンソンに目をつけられたカーディガンズ。1994年には、インディーから1stシングル“RISE & SHINE”をリリース。
すぐさまメジャー契約して、アルバム『エマーデイル』を、もちろんトーレの
プロデュースでリリースして、本国で大ヒットさせます。
同じ年には、ひっそりと日本デビューも果たします。
そして、1995年。セカンドアルバム『LIFE』のリリースです。
当時の日本の音楽シーンは・・・、
ちょうど渋谷系の盛り上がりの真っ只中でしょうか。
ホコ天だ、イカ天だ、というバンドブームが去って、
フリッパーズ・ギターが日本の音楽を洋楽志向に変化させた後は、
ピチカート・ファイヴ、オリジナル・ラブ、カヒミカリィ、カジヒデキなど
“ハイセンスで都会的でジャンルレスな洋楽的ポップミュージック”が台頭。
渋谷の外資系レコードショップからムーブメントが生まれたことから、
“渋谷系”と呼ばれてもてはやされていました。
まぁ、そういったブームになってくると、猫も杓子も“渋谷系”。
あのミスチルだって、デビュー当時は渋谷系でしたからね。
お洒落なポップミュージックは全て“渋谷系”と呼ばれる時代でした。
もちろん、the cardigansもカテゴライズは“渋谷系”。
何だかなぁ・・って感じですが、とにかく、北欧のローカルバンドは、
一気に日本の洋楽ファン、そして、それまで邦楽しか
聴かなかったような層まで取り込んで、一気に本国スウェーデンを超える様な
大ブレイクを果たします。
M. Carnival / THE CARDIGANS
1995年当時に、ラジオ、CDショップ、カフェ、クラブ・・・
至るところでOAされていた“カーニヴァル”。
当時を思いだすなぁ・・・
結局、このアルバム『LIFE』は日本で売れに売れて、
日本だけで50万枚を売り上げる、という大ヒットを記録しました。
カーディガンズと、そしてプロデューサーのトーレ・ヨハンソン、
そしてその名盤を作り上げたスタジオ:タンバリン・スタジオの名前は
瞬く間に広がって、スウェディッシュ・ポップは、一番“お洒落な音楽”と
定義されました。
ボニー・ピンク、原田知世などは、このthe cardigansのヒット以降、
モロにスウェディッシュポップを日本語で再現。
トーレのプロデュース、スウェーデンレコーディングで
アルバムをリリースしていましたね。
アナログ機材を駆使して、そしてアイデアを駆使して、
遊び心満載の音楽を作っていたあの時代。
景気も今ほど悪くなくて、自分も何だか浮かれてたなぁ・・・
と思い出にふけっちゃいますね。
M. TOMORROW / THE CARDIGANS
さて、このアルバム『LIFE』で本国スウェーデン、
そしてここ日本で大ブレイクしたカーディガンズですが、UK、USという
一番のマーケットでは大きな結果は出ませんでした。
しかし、1996年のアルバム『First band on the moon』では
UK、USを制覇!
映画『ロミオとジュリエット』にも使用された“Lovefool”は
UK USでチャート1位を記録するなど、世界的に大成功することとなります。
ABBA、ロクセット、ACE OF BASEという系譜に
The Cardigansという名前がはっきりと刻まれたわけです。