東北復興SP!海の幸、雲丹三昧の旅。|旅人:井門宗之

2018-07-12

 

永尾「この季節の北三陸の海は良いよ~。

なんと言ってもウニが旨い時期だからねぇ…。

あの洋野町のウニは食べると不幸の始まりだよ。

だって旨過ぎて他所のウニが食べられなくなっちゃうんだから!」

 

 

とあるKIKI-TABI会議でのそんな永尾Dの発言から、

「よし!岩手に行こう!」となった単純な僕ら。

永尾Dと言えば全国の旨い物とスナック事情を知り尽くした男。

どこかに旅に行った際は「永尾さん、○○にいるんですけど何処か美味しいお店は…?」

なんてラインで聞くこともザラであります。

その永尾Dが「特別なウニ」という北三陸・洋野町のウニ。


何やら聞けば『ウニ牧場』なんて場所もあるとか!?

という訳で今回は美味しいウニを味わいつくす為に北三陸へと向かったのでした!

 

 

 

 

 

 

 

 

ゴル「もう何度、久慈に来ましたかねぇ。」

 

井門「バスツアーの時も、まめぶ汁作りの時も、

なんか色んなタイミングでお世話になっている町だもんね。」

 

 

震災以降、何度となくお邪魔している三陸。

その中でも久慈市は何かにつけてお世話になっている場所です。

そのせいかJRと三陸鉄道の久慈駅の前に来るとホッとした様な気分にもなったりして。

 

 

井門「そう言えば三陸鉄道久慈駅で売ってるウニ弁当、

前に来た時に親分が買ってたのに味見させて貰うの忘れてたんだった!!」

 

ミラクル「へへへ、今回は三陸のウニを満喫する旅でゲスから、

まずはお馴染のあそこに行くでゲス!」

 

井門「あそこ??」

 

じぇじぇ本「じぇじぇじぇ~!!

 

 

 

 

 

 

 

 

向かった先は「あまちゃん」でもお馴染の小袖海女センター。

2013年に放送されたNHKの朝の連ドラ「あまちゃん」は空前の大ヒットを記録し、

その舞台となった久慈には現在も数多くのあまちゃんファンが足を運んでいるのですが、

実際に北限の海女さんに会えるのが、こちら小袖海女センターなのであります。


取材に訪れた時はまだ6月末だったので「素潜り」の実演は行われていなかったのですが、

7月からいよいよ海女さん達の素潜り漁のシーズン!

シーズン中にこちらを訪れると、海女さん達の素潜りも見る事が出来ます。

小袖の港には『じぇじぇじぇ発祥の地』なんて碑も建てられていたりして、

ファンは思い思いに写真を撮ったりしています。


僕らがお邪魔した時にはロードバイクの集団がいたり外国人の方がいたり、

そしてその賑わいの中心に何があるのか…というと??

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「うわ~!!これは大きいですね!」

 

海女さん「そうでしょ?大きいのよ~!」

 

井門「なかなかこのサイズは見た事がないなぁ、旨そう!」

 

海女さん「“旨そう”じゃないの!“旨い”の!(笑)

 

 

殻付きの帆立は1個500円。

僕らは焼き立ての帆立と、お刺身の帆立を頂くことに…。

 

 

海女さん「この帆立のお刺身は何もつけなくても美味しいから。

ヒモの部分もお刺身で食べると旨いのよ~!

で、その後にお醤油をつけて食べ比べてごらんなさい!」

 

 

三陸の海を知り尽くした海女さんの言う通りに、

大ぶりの(言い過ぎではない)帆立のお刺身を頂くと…。

 

 

井門「ん~~~~!!旨いっっ!!

 

 

へへ、やっぱり言っちゃった(笑)

旨いって言うよ、言うしかないものこのお刺身。

貝柱自体の味わいに力がある…と言いましょうか、

海の旨味が帆立の身の中にギュッとしていると言いましょうか。

間髪を入れずヒモもお刺身で頂きましたが…。

 

 

井門「ん~~~~!!ヤバいっっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

喋り手として17年目、ボキャブラリーには自信がありましたが、

本気で旨い物を頬張るとこうなります(笑)

そして圧巻だったのは焼き帆立。

写真だけでどこまでその凄さが伝わるかは分かりませんが…どうぞ!

 

 

 

 

 

 

 

 

取材した日は天候の関係でウニは無かったのですが、既にウニ漁も始まっています!

タイミングが合えば焼き立ての海の幸を堪能出来るかも!?

 

 

井門「お母さん達はシーズンに何回くらい海に入るんですか?」

 

海女さん「そうねぇ、昔はシーズンに4回くらい入ってたんだけど、

今はワンシーズンに2回って決めているんですよ。」

 

井門「えっ!!ワンシーズンに2回だけなんですか??

海女さんのお仕事って毎日の様に海に入って漁をしているイメージがありました。」

 

海女さん「今はウェットスーツの性能も上がっているから、

入ろうと思えばずっと海に入っていられるんです。

資源保護のために、ワンシーズン2回って決めているんですよ。」

 

 

三陸の海を知り尽くしているからこそ、

その資源を誰よりも大切に思っている北限の海女さん達。

海女さん達のその気持ちが豊かな三陸の海を保っているのだと思う。

北限の海女さん達!いや、あまちゃん達!!

これからも美味しい海の幸がずっと味わえる様に、大切に海を守っていってくださいね!

 

 

 

 

 

 

 

 

海女さんたちの浜焼きを頂いた後は、センターの中へお邪魔しました。

小袖海女センターは1階が観光案内所や産直施設、2階が展示コーナー、

そして3階が海女caféというカフェになっているのですが、

今回はその海女caféにて久慈名物の缶入りスープを頂くことに!


『海女の磯汁』

久慈の水産加工会社、小袖屋さんの逸品です。

震災で甚大な被害を受けた小袖屋さんが、

再起を図り久慈ならではの商品を!と開発したのがこの缶入り商品でした。

 

小袖屋さんのHPによると、

その昔、小袖海岸で漁をする海女たちが冷え切った体を暖める為に、

採れたての海の幸を鍋で煮て食べていました。この味を再現したのが「海女の磯汁」です。

とあります。


まさに久慈の海の味を凝縮したのがこの缶入り商品。

ウニ・ツブ・ホタテがたっぷり入った海鮮の旨味がたっぷり入ったスープ!

海女caféの皆さんの御厚意で、熱々の状態でいただくことに。

 

 

井門「うーわっ!うわーっ!!

これはまさに海のスープやー!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

ひと口啜ると久慈の豊かな海がスッと浮かんでくる様な旨味!

そして中に入っている具材の多さよ!!まさに口福!!

缶入りのスープでこんなに旨味がぎっしりだなんて…。

やっぱり凄いぞ三陸の海!よっ!世界三大漁場!!

因みに小袖海女センターではお土産で購入も出来ます。

1缶1360円、たっぷり入ってこのお値段はまさにお値打ち!

 

 

 

 

 

 

 

 

じぇじぇ本「いやぁ、旨いっすね!

これ最初に飲んで、しばらくするとまた飲みたくなる…っていうか飲み続けられます!」

 

ミラクル「炊き込みご飯にも良いみたいだよ!」

 

ゴル「あとラーメンのスープでも最高に旨いでしょうね!」

 

全員「あー!それ絶対旨い!」

 

 

こうして熱々のスープのお陰で幸せに満たされた北限のおじさん達。

しかし今回は『ウニ三昧の旅』!まだまだこれでは終われません。

 

 

ウニクル「次はいよいよ、生ウニ丼でゲス…へへへ。」

 

一行「キターーーーーー!!!!」

 

 

向かった先は洋野町種市にある、御食事処はまなす亭。

 

 

 

 

 

 

 

 

お店に到着したのは午前11時頃だったのですが、

駐車場は既に車で埋まり始めています。そのナンバーも県外からのもの多数。

そうです、こちらのお店こそ洋野のウニが堪能出来る名店!

外のテラス席で女将さんを待っていると、次々とお店に吸い込まれていくお客さん達の姿が。

混雑する時間帯にも関わらず女将の庭静子さんにお話しを伺いました。

 

 

井門「こちら表のボードにも書かれていましたけど、

“無添加生うに丼始まりました!ひろの町産は天然昆布を食べています”ですって??」

 

庭「はい、洋野のウニは天然の昆布とワカメだけしか食べてないんです。

だから昆布の旨味がたっぷり詰まっているんですよ!」

 

 

驚いた…天然の三陸産昆布を餌に育つウニだなんて!!

そんなの美味しいに決まってるじゃないですか!

だってウニだけだって美味しいのに、そこに昆布の旨味とか…ブツブツブツ

 

 

庭「まぁ、食べてみてください!(笑)

そしたらすぐに分かりますから。」

 

 

横でブツブツ言っている井門を制し、まずは食べてと促す庭さん。

目の前には、はまなす亭自慢の生うに丼がどーんと鎮座しています。

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「では・・・まずは何もつけずに、頂きます!(パクり)

!!!!!!!!!!!!!!!!!

 

 

これか…これだったのか。

永尾Dが「これを食べるのは不幸の始まり」とまで言ってた味は、これだったのか。

僕は北海道で生まれ、幼い頃から新鮮な海の幸を食べる機会には恵まれていたと思う。

ウニだって子供の頃から食べてきた。

ちょっとやそっとの海の幸には驚かない…はずだった。

 

 

井門「旨過ぎる…!!

 

庭「(微笑)」

 

 

ウニを食べて驚いたことなんて人生で初めてだ。

でも驚かざるを得ないウニなのだ!!

だって、だって、だって…濃厚なウニの旨味の中に昆布の旨味が凝縮されているんだもん!

しかも濃厚なのに後味がさっぱりしていて、舌で溶けていくんだけど決してベタつかない。

ホカホカの御飯に乗せてウニを頂くと…至福!!

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「ウチのディレクターの一人が、

“ここのウニを食べるのは不幸の始まりだ”って言ったのが分かります。

これは他所のが食べられなくなっちゃいます…。」

 

庭「あっはっはっ(笑)

そうですねぇ、ウチの娘もよく言うんです。

“お母さんがこの味で食堂やってるから、私はどこで何を食べたらいいの?”って(笑)」

 

 

2011年の震災では津波の被害を受けて店舗が流されたはまなす亭。

しかしわずか1年後にお店は復活し、洋野の絶品海の幸を県内外の方に提供しています。

お店の名物にはウニの他にもホヤを使ったメニューやいちご煮も!

これは並んででも食べにくる価値ありです!

洋野の絶品ウニ、聞きしに勝る味。庭さん、御馳走さまでした!

正直言うと、俺、うに丼あと2杯は食えました(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「さてと…ウニクルさん。

こんなに旨いもの食わしてくれて、いったいどうしてくれんだい?」

 

ゴル「そーだそーだ!」

 

じぇじぇ本「不幸の始まりだー!」

 

ウニクル「ま・待つでゲス!

あんた達、こんなに旨いウニ食べておいてそれはないでげしょ!?

…そうだ!この美味しいウニの秘密を知りたくはないでゲスか??」

 

一行「知りたい!」

 

ウニクル「では参りましょう…ウニ牧場へ!!

 

一行「ウニ牧場!?」

 

 

我々が向かったのは洋野の海岸線を見下ろす高台の上。

白波立つ海岸を眺める我々の隣には…一人のイケメンが!?

 

 

下苧坪「この海岸線10数kmに渡ってウニの増殖溝、ウニ牧場が広がっているんですよ。」

 

 

この男性こそ洋野町のウニを日本全国へ、

いや世界へ広げようと尽力されている下苧坪之典さんであります。

下苧坪さんは洋野町の水産加工会社「株式会社ひろの屋」の代表取締役。

洋野町のウニをブランディングし、世界へ広げようと努力されているのです!

 

 

 

 

 

 

 

 

下苧坪「ここのウニはまず稚ウニの状態で“うに栽培漁業センター”で1年間育てます。

その後は海に放流、3年経ったらこのウニ牧場に移し、

最後の1年間を天然の昆布だけを食べて育っていくんです。」

 

井門「どうしてまたウニ牧場を作ろうと思われたんですか?」

 

下苧坪「元々は45年前にこの海岸線の岩盤を掘削してワカメや昆布の漁場を作りました。

そこでウニを育てたところ、天然の昆布しか食べない旨味の濃厚なウニになったんです。

ウニってのは雑食で、目の前にあるものは何だって食べてしまいます。

このウニ牧場には天然の良質な昆布が育っているので、それを餌にしたウニが育つんです。」

 

 

その味の旨さは「はまなす亭」で既に体験済みです。

これは最早世界一のウニと言っても過言ではない。

東日本大震災の影響で、ウニ漁が立ち直るまで3年~4年かかったそうですが、

2年前より去年、去年より今年と、

毎年ウニの出来が良くなっていると下苧坪さんは言います。

 

 

下苧坪「今は台湾やアメリカにも洋野のウニを発信しています。

2020年を目指してウニに関する商業施設も作る予定なんですよ!」

 

井門「それは本当にこれからの楽しみが広がりますね!」

 

 

目の前のウニ牧場にはおよそ200万個のウニが育っているそうです。

海底に掘った溝の中でウニを育てている為に、

例え海が荒れていても安定して収獲が出来るとか。

先人の知恵と経験、更に漁協と加工業者の連携や努力、

全てが噛み合っているからこそ洋野のウニを我々も味わうことが出来るのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

下苧坪「せっかくですから皆さん、会社の方へいらっしゃってください!」

 

ウニクル「…この流れはもしかして…」

 

井門「やめなさいよ!よだれが出てるよ、ウニクルさん!」

 

じぇじぇ本「食えるんすか!!」

 

一行「黙れ!!」

 

 

と言う訳で舞台を「ひろの屋」さんに移し(舞台て)、

お待ちかねの試食ターイム!!(笑)

 

 

下苧坪「こちらが中を綺麗に掃除して、

卵巣と精巣の部分だけをすくって食べるという食べ方です。

スプーンですくって召し上がってみてください。」

 

井門「こ…これは…なんという贅沢な食べ方…。」

 

 

 

 

 

 

 

 

まだ動いているウニの殻の中で輝く黄金色の身。

一つ一つが信じられないほどに大きく、それをスプーンでこそげとって…いざ。(パクり)

 

 

井門「んふふふふ…!!!

 

 

美味し過ぎて変な笑いが漏れた(笑)

「ムフォッ!」ってなった。もう旨いしか出てこなかった。

ボキャブラリーのことなんて、どうでもよくなった(よくないだろ)。

とにかく、絶品だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

現在下苧坪さんは洋野町の水産資源を、

『KITA-SANRIKU FACTORY 北三陸ファクトリー』というブランドで発信している。

人気の為、WEBショップではなかなか手に入らない事もあるけれど、

是非一度「ひろの屋」さんのHPも覗いてみてください!

運が良ければ洋野町の絶品4年物のウニを手に入れる事が出来るかも…!?

下苧坪さん、絶品のウニと熱いお話しを有り難うございました!

 

 

 

 

 

 

 

 

そう言えば今回の旅でちょっと貴重な経験もさせていただきました。

小袖海女センターでお母さん達にインタビューをしていた時のこと。

 

 

井門「今日って海水温は何度くらいなんですか?」

 

海女さん「あっ!今日はまだ測ってなかったわ!

ちょっと水温計持ってくるから測ってきて!!」

 

井門「えっ!?あっ、わ・分かりました(笑)」

 

 

 

 

 

 

 

 

井門「お母さん~、測ってきたよ~!14℃だって。」

 

海女さん「そう!まだ少し冷たいわね!有り難う!」

 

 

北限の海女の仕事場でもある海の温度を測るなんて、

なんだか特別な事をしたようで誇らしい。

いや、それだけじゃない。今回は特別なことだらけだった様な気がします。

 

北三陸の海はこれからが夏本番!

そして夏ならではの美味しい物が食べられるのもこれから!

きっと皆さんも北三陸の美味しいウニをひと口食べたら、

思わずこれを言っちゃうんだろうなぁ~。

 

 

じぇじぇ本「じぇじぇじぇ~!!

 

 

お前が言うんかーい!