あまちゃんだけじゃない!久慈の名物を実体験~1~|旅人:井門宗之
2016-12-14
かつてこの番組がYAJIKITA ON THE ROADと呼ばれていた頃…。
(壮大なBGM C.I-)
日本全国津々浦々とお邪魔する中で、
思い出に残る場所や、何度もお会いする方との出会いがあった。
旅を重ねる中で、それは物語となり、いまこの番組へと昇華していったのである…。
KIKI-TABI~2 Thousand Miles~
あなたと、私の、夢の旅…(パクっちゃだめ)
機長は私、井門宗之です。(だから)
(壮大なBGM ~F.O.)
はい、担当Pで今回の旅人、井門でございます!
何となく壮大な感じで始めたのには理由がありまして…。
長年この番組に携わらせて頂くと、本当に宝物の様な出会いが沢山あったなぁと。
そしてある意味「会いたい人に会いに行く番組」でもあったなぁと。
今年の8月、台風10号の被害のニュースは皆さんも記憶に新しいかと思います。
僕の地元北海道も大きな被害を受けましたが、
映像を見ていると、我々と縁のある場所も浸水被害で大きな被害に…。
――東北に行こうか!
いつもの会議で誰とは無しにそんな言葉が出てきました。
お世話になった方に会いに行く、街の様子を尋ねに行く。
向かった先は岩手県久慈市。
私が担当する生放送の番組でもリスナーさんと共に三陸鉄道に乗り、
この番組がかつてYAJIKITAと呼ばれていた頃(笑)、復興応援SPでもお伺いした場所。
考えてみればこの旅が今年最後の地方取材となる。
そして病み上がりの親分の地方ロケ解禁の記念すべき旅だ!(だからなんだ!)
我々はまず新幹線で八戸へ北上し、そこから車で久慈へ。
久慈駅前に来ると途端に色んな事が思い出されます。
そうそう、JR久慈駅と三鉄の久慈駅が並んでいるんだよなぁ、とか、
三鉄久慈駅の駅舎のオレンジのラインが何ともいえずに良い風情なんだよなぁ、とか。
あっ!そう言えば三鉄の久慈駅でしか買えない雲丹弁当、親分が買ってたんだった!
味見するの忘れてた~~~~~!!!!
駅前の通り、かつてこの道を歩いてリスナーさんと『やませ土風館』に向かったなぁ…、
確かリスナーさんのお子さんを抱っこしながら歩いたんだっけ…。
そんな事を思いながら歩いていると駅から徒歩1分程の所にあるのが…、
FM岩手久慈支局。
支局長の八重櫻さんには別の番組でも随分お世話になり、久々の再会となりました。
井門「お久しぶりです!今週の地震の時には有り難うございました。
あの後、10時頃が満潮と仰ってましたが、大丈夫でしたか?」
八重櫻「はい、港にも被害は無く、市もすぐに避難所を開設したので皆さん大丈夫でした!」
実はこの週の火曜日に福島県沖を震源とする地震があり、
久慈にも80cmの津波が観測されたのでした。
僕が担当する番組でもすぐに八重櫻さんと電話を繋ぎ、市内の状況を伝えて頂いたのです。
八重櫻「地震の影響が殆ど無かったのは、
東日本大震災の教訓が生かされているからだと思います。
それよりも今年8月の台風被害の方が酷くて、駅前のここもかなり大変でした…。」
今年8月末に岩手県に上陸した台風10号は各地に豪雨を降らし、
ゆっくりとした速度で移動した為にその被害も凄まじいものとなりました。
僕らがお邪魔した久慈支局は建物の2階にあるので被害は無かったそうですが、
それでも目の前の駅前通りは高い所で2mもの浸水被害を受けたそうで…。
八重櫻「ここの裏のホテルの方はボートで避難した人もいますし、
泳いで避難した方もいらっしゃるくらい、市の中心部の被害が大きかったんです。」
水が引いた後は泥のかき出しなど、
2週間はボランティアの方々も集まって作業をしてくださったそうです。
台風の影響で久慈の秋まつりも残念ながら中止となったとか…。
八重櫻「それでも今年の11月には第1回の久慈あまちゃんマラソン大会が開かれまして、
小袖海岸を走ったんですけど、1000人も参加したんですよ!」
久慈と言えば大ヒットしたドラマ「あまちゃん」です。
そのあまちゃんの舞台を颯爽と駆け抜ける『久慈あまちゃんマラソン大会』。
僕もランナーの端くれ(笑)、この大会は参加してみたいなぁ…。
汗を流したあとは三陸の美味しい物でお腹も満たす…最高じゃないですか!
八重櫻「ドラマの影響で今でも久慈にいらっしゃる方は多いですよ!
でも他にも久慈には見所が沢山ありますからねぇ~。」
そんな風に笑顔で話す八重櫻さんオススメのスポットは3つ!
『久慈琥珀博物館』
『地下水族科学館もぐらんぴあ』
『まめぶの家』
久慈と言えば琥珀、久慈と言えばもぐらんぴあ、久慈と言えばまめぶなのである!
特にもぐらんぴあは今年4月に元の場所に再建を果たしたばかり。
震災を生き延びた海亀のかめ吉君も戻ってきたとのこと。
これは行かねば!!
と言う事でしっかりオススメを八重櫻さんに伺った我々は再会を約束して久慈支局を後に。
八重櫻さんは支局長として久慈支局を守りながら、
パーソナリティーとして市内を取材し続けています。
取材活動を通じて様々な久慈の姿を見て来た八重櫻さん。
久慈の魅力はなんですか?とお伺いすると…
八重櫻「人の温かさですね。
東北の人はシャイなので分かりにくいですけど(笑) 本当に温かい人が多いです。」
久慈市街地から車で10分程、
山を登った場所にあるのが久慈琥珀博物館です。
この博物館が物凄く面白かったのです!
なんせ取材を終えたオッサン全員が少年の顔になっていたもの(笑)
モダンな外観の建物を中に入ると、まずは恐竜のロボット(かなり精巧)が御出迎え。
どうして琥珀博物館に恐竜のオブジェがあるのか!?
…えっ?ジュラシックパークのアレでしょ?って?
工藤「世界には琥珀の四大産地がありまして、
久慈はその一つなんです。
しかも久慈で採れる琥珀だけが、恐竜が絶滅する前の時代の琥珀なんです!」
全員「なんですって~~~!!!??」
琥珀のペンダント、琥珀のネックレスを身に付けた学芸員の工藤彩さん。
工藤さんの解説で、僕らはあっと言う間に8500万年前の世界にタイムスリップしたのです。
こちらの博物館は国内唯一の琥珀の博物館。
広い敷地の中には博物館の他に大正7年まで実際に採掘を行っていた坑道跡や、
琥珀の加工作業を行うワークスタジオ、
更に北三陸の食材を使った食事が楽しめるイタリアン&フレンチレストランまで!
我々が工藤さんにお話しを伺ったのはその中の博物館新館であります。
工藤「展示コーナーの入口には約8500万年前の久慈を再現したジオラマがあります。
この木に付着してある樹脂がありますよね?
琥珀はこの樹脂が化石となった樹脂の化石のことなんです。」
井門「恐竜が生きてた時代の琥珀なんですよね??」
工藤「はい、ジオラマの上の方をご覧頂けると…」
井門「あっ!翼竜がいる!!」(子供か)
工藤「そうなんです(笑)久慈の琥珀は世界4大産地で唯一、恐竜がいた時代の琥珀なんです。
更にジオラマの下の方をご覧いただきますと…」
井門「あっ!ワニがいる!!」(子供か)
工藤「そうなんです(笑)現在の久慈の気候は当然北国のそれですけど、
8500万年前の久慈はワニが生活出来るくらい亜熱帯の気候だったんです。」
8500万年前の久慈…想像する事も難しいけど、
出土する化石や地層を調べると色んな事が分かってくるのだからロマンだ!
そう、久慈はロマンなのだ!(なんでだ)
勿論現在も久慈では琥珀の採掘を行っていて、年間で2~300kg程の量を採掘するそうな。
井門「大きさはどれくらいの物が採れるんですか?」
工藤「こちらに展示してある琥珀大団塊というのがありまして、
久慈で採れた物ですが、これで10.4kgあります。」
大きさでいうと人の頭より一回り大きいくらい。
表面がゴツゴツしていて、揚げ過ぎたおかきみたいだ。
工藤「でもこの大きさで10.4kgって、軽いと思いませんか?」
井門「確かに、仮にこのサイズの岩だったらもっと重いはず…。」
工藤「これが琥珀の特徴の一つなんです。
琥珀は樹脂の化石と言いましたが、分類すると宝石に分けられます。
ですがダイヤモンドの様な鉱物由来の宝石とは違い生物由来の宝石なので、
この様な特徴があるんです。」
白亜紀後期を模したジオラマの先には琥珀の特徴を解説するエリアが。
琥珀の4大産地を示す地図にはしっかりと久慈が記されており、
確かに他の産地の琥珀が3000万年前の物だったりするのに対し、
久慈の琥珀は圧倒的に古い8500万年前の物なのだ。
ん?という事はジュラシックパークの設定は…。
工藤「本来は恐竜がいた時代の琥珀が採れるのは久慈のみなんですけど(笑)」
親分「スピルバーグはリサーチ不足だ!」
井門「ジュラシックパークは久慈に作られていたかもしれないのに!」
すっかり久慈の琥珀ファンになるKIKI-TABI一行(笑)
工藤「琥珀は世界各地で珍重されていて、中国では虎の魂の生まれ変わりとも言われます。
だから漢字で書くと“虎”の字と“魂魄”の字に玉偏を付けて“琥珀”となったんです。」
全員「へぇ~~!」(生徒目線)
工藤「更に中国では赤みの強い琥珀を“龍血(りゅうけつ)”と言って珍重されたんですよ。」
全員「へぇ~~~!!」(生徒目線)
工藤「本物の琥珀は濃い塩水に浸けると浮く性質があります。」
全員「なるほど~~!」(生徒目線)
工藤「こちらに置いてある琥珀と石、大きさは同じですけど、
持ってみてください。重さの違いが分かりますか?」
井門「おお!!琥珀の方が断然軽い!!」
工藤「持った時の温度、違いませんか?」
井門「おおおおお!!琥珀の方が温かい!!」
工藤「これも琥珀の特徴なんですよ。
生物由来だからこその軽さ、そして身に付けた時の温かみ、
これも琥珀が世界中で愛される理由の一つなんです。」
更に進んでいくとまるで玉砂利の様に琥珀を敷き詰めた場所が!
そこは“琥珀サナトリウム”(療養所の意)。
実際に琥珀の産地であるバルト海沿岸には琥珀を医療用に使う場所があるそうな。
工藤「ちょっと寝てみてください。」
井門「はい、、、(恐る恐る玉砂利ならぬ玉琥珀の上に足を乗せて)
あっ、思ったほど痛くないですね!ちょっと寝転がりますよ!
枕に頭を乗せて、と。あ~~、これは気持ち良いです!」
工藤「たまにここで熟睡される方もいらっしゃいます(笑)」
ゴル「ちょっと、コバヤシさん、なに座ってるんですか!?(笑)」
親分「おっ、なかなか気持ち良いですなぁ…。」
寝転がれる場所の隣には敷き詰められた琥珀の上に丸椅子が置かれてあるのだが、
永らく病気療養中だった親分がしっかり療養していた(笑)
その姿はまるで博物館に最初から置かれたマネキン…(マダムタッソーみたいだった)。
工藤「こちらが当館のシンボルになります。
神話に出てくる琥珀のストーリーを体験頂ける太陽の石です!」
カプセル状の太陽の石、中に入ると無数の琥珀が一面に埋め込まれている。
その中で展開される音と光の演出…美しいのであります。
井門「あっ、あー、あー(声が反響している)
おぉ…この中に入ると拡声器の様に声がめちゃくちゃ反響しますね…。
…かつてこの番組がYAJIKITA ON THE ROADと呼ばれていた頃…。(キャッキャッ)」
ゴル「…かつてこの番組がYAJIKITA ON THE ROADと呼ばれていた頃…。(キャッキャッ)」
工藤さんの話が面白過ぎて、すっかり童心に戻ったKIKI-TABI一行。
2階の展示コーナーでは世界最大級という琥珀製のモザイク画が!
工藤「こちらは中尊寺金色堂をイメージしたモザイク画です。
5mmにスライスした琥珀を組み合わせて作られています。
琥珀の硬さは爪の硬さと同じ位なので加工し易いんですよ!」
そして琥珀にロマンを最も感じる展示、虫入り琥珀が…。
中にはトカゲの様な大きな生き物までが琥珀の中に閉じ込められている。
琥珀は木の樹脂の化石、弱った生き物がそこにくっついて出られなくなり、
そのまま琥珀の中に閉じ込められて出来るのが“虫入り琥珀”の原理だ。
井門「中の虫から恐竜のDNAが検出されれば、
本当にジュラシックパークの様な事が出来なくもないんですもんね?」
工藤「そうですね、理論上は可能なのかなと思います。」
井門「ロマンですねぇ~!」
工藤「ロマンですねぇ~!」
――その時、この男の“ロマン心”に火が点いた。
すなわち、俺も琥珀を採ってみたい…と。
井門「工藤さん、ぼ…いや、オレも琥珀を採ってみたいんだぜ!」
工藤「ここから車で2~3分の場所に実際の採掘現場があります。
申し込んで頂ければ採掘体験も出来るんですよ!」
井門「行こうっ!」
こうして採掘現場に着いた我々はその規模の大きさにまず驚かされた。
まるで隕石が落ちて出来たクレーターの様なサイズ感である。
糸井さんが徳川埋蔵金を掘ってそうなスケール感だ!
採掘現場には現場担当のおじさんが2人いらっしゃって、
親切に長靴と採掘道具を貸してくれる。
すっかり琥珀ハンターの気分になった井門はいざ採掘現場へ…。
しかしこの広い現場の一体どこに琥珀が眠っているのだ…俺に採れるのか…。
おじさん「ここにあるよ!」
井門「うわぁ~!本当だぁ!(掘り掘り)
採れたぁ!!」
琥珀ハンター井門、無事に最初の琥珀をゲット。
しかしまだだ、まだ俺の心は満足しちゃいねぇ。
ただ、この広い採掘現場でもう一度琥珀を見つける事など出来るのだろうか…。
工藤「ここにありますよ!」
井門「うわぁ~!本当だぁ!!(掘り掘り)
採れたぁ!!」
って、完全に他力本願じゃねぇか!!(笑)
工藤「いまの季節はさすがに寒いですけど、
2kgの琥珀を採掘された方もいらっしゃいますよ!
時期はお盆、夏休みがピークですかね。皆さん1時間程は夢中になってやってます。」
僕らは寒さの為に10分程で撤収(笑)
因みにこの時に採掘した琥珀は記念に頂きました!
工藤さんのお話しの面白さ、そして琥珀の奥深さ。
採掘体験までさせて頂いて、本当に貴重な機会を有り難うございました!
>>『あまちゃんだけじゃない!久慈の名物を実体験』 続きはコチラ!