デヴィッド・ボウイ “ZIGGY STARDUST”
2011-08-07
『デヴィッド・ボウイの代名詞!
名盤“ジギー・スターダスト” 特集』。
デヴィッド・ボウイが作りあげた宇宙から来た架空のR&Rスター:
ZIGGY STARDUST。
1年半だけこの世に降臨して、永遠にその名を刻みました。
M. STAR / DAVID BOWIE
M. SUFFRAGETTE CITY / DAVID BOWIE
さて、お送りしたのは、1972年のそのアルバムから、
名曲“サフラゲット・シティ”!
T-REXもそうですが、当時のグラムロックは
本当に効果的にホーンを使いますよね。
少しファニーに、能天気になる感じがまさに70年代グラム。
ギターの音のショボさも最高です。
さてさて、デヴィッド・ボウイ。
イギリスを代表する、というより世界を代表するミュージシャンで、
俳優としても有名ですよね。
最近では、創作意欲が薄れたようで、
なかなか表舞台には出てきませんが。。。
生まれは、1947年。イギリス・ロンドンです。
17歳の頃にはショービジネスの世界に入って、
ディヴィー・ジョーンズなんて名前で
シングルをリリースしたりしますが、話題にはなりません。
1966年ごろには、芸名をデヴィッド・ボウイに固定。
翌年には、デビューアルバムをひっそりとリリースします。
その後は、映画出演や劇団でのパントマイム修行など、
音楽とは離れたところでエンターテイメントを学んで、
そして1969年。
ようやく、大手レーベルから、実質的なファーストアルバム
『スぺイス・オディティ』をリリースすることになります。
しかも、イギリスでは、同名のシングルが5位になるほどの
大ヒットになったんですね。
何で、ド新人がそんなに売れたか?
というと、ちょーど世の中は、アメリカのアポロ計画に大騒ぎ!
人類初の月面着陸で、とんでもない視聴率になっているときに、
ちょうどテーマがピッタリだったこの曲がテーマ曲に使われて、
OAされまくって大ヒット!となったんですね。
<WBCの時のいきものがかりみたいな感じ。>
そこまで計算していたかどうかは分かりませんが、
いやきっと計算していたんでしょう。
一気にデヴィッド・ボウイは人気アーティストとなります。
そんな中、ツアー用のバンドも結成。
初期デヴィッド・ボウイの女房役:ギタリストで音楽プロデューサーの
ミック・ロンソンとも出会って、いよいよ役者がそろいます。
M.MOONAGE DAYDREAM / DAVID BOWIE
遂に、盟友:ミック・ロンソンと出会ったデヴィッド・ボウイは、
1970年にアルバム『世界を売った男』をリリース。
同時期に人気が上がってきていた、マーク・ボラン率いる
T-REXなんかと共に、化粧や派手な衣装で、
視覚的にもインパクトの強いグラムロックのパイオニアとして
カルト的な人気を誇るようになっていきました。
ただ、どんなにチャート的に健闘しても、あくまでもカルト、
というかカウンターカルチャーとしての人気だったみたいですね。
そりゃそうです。
圧倒的なサウンドクオリティを誇るハードロック勢や
演奏力の凄まじいプログレ勢がメインストリームだった当時からすると、演奏的にも、サウンド的にもチャチ。ちょっとイロモノ的ですもんね。
ただ、独自の哲学・美学は、ある1部のロックファンには熱狂的に
支持されるようになります。
そんな中の、1972年にリリースされたのが、グラムロックの決定打!
そして、大名盤の『ZIGGY STARDUST』でした。
M. ZIGGY STARDUST / DAVID BOWIE
さてさて、名盤“ZIGGY STARDUST”。
正式タイトルは、
THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST
AND THE SPIDERS FROM MARS
日本語のタイトルは、
「屈折する星屑の上昇と下降、
そして火星から来た蜘蛛の群」
というわけの分からないものでした。
デヴィッド・ボウイ自身が、宇宙からやってきたロッカー
『ZIGGY STARDUST』に扮して、
そしてZIGGYが地球に降り立ってスーパースターになって、
地球を救って、愛を与えて、そして最終的に没落していく・・・
愛と共に。
といったB級映画、もしくはTHE WHOのロックオペラ:トミーの
宇宙人版、のようなコンセプトアルバムであるこの作品は、
そのコンセプトのままに、ステージで繰り広げられる近未来的な
パフォーマンスと共に、物凄い話題になります。
ZIGGY STARDUSTの名前と共に、デヴィッド・ボウイは
グラムロックブームの頂点に立ったんですね。
M. LADY STARDUST / DAVID BOWIE
さて、このアルバムで一世を風靡したデヴィッド・ボウイ。
そしてグラムロック。
当時、ヨーロッパでアジアからのセンセーション!
と言われていたファッションデザイナーの山本寛斎とも
コラボレーションしてステージ衣装を作ったり、
歌舞伎に影響をうけたヘアスタイルなど、
日本文化とも融合しながら、ZIGGY STARDUSTのイメージは
更に大きくなって、結果:ツアーは軒並みソールドアウト。
アメリカでもその人気は爆発して、ツアーも大成功。
グラマラスで、シアトリカルなステージで、本当に新たな
ロック・カルチャーを創造して、時代の寵児、
世界で最も有名なカルト・スターとなりました。
このイメージが無ければ、その後のロックは明らかに違ったものに
なっていたハズ。そして、舞台&映画の“ヘドウィグ”なんて
キャラクターも出てこなかったハズです。
ただ!!!
そこからが、デヴィッド・ボウイの凄いとこ!!
全てのロックファンが求めているZIGGY STARDUSTのイメージ、
コンセプト、キャラクターをたった1年半で封印するんです。
その後は、ソウルミュージックに傾倒したり、俳優として活躍したり、
ジョンレノンとシングルを作ったり、ベルリンに移住してアルバムを
作ったり、本当にコロコロとキャラクターを変えて、
リスナーを驚かせつづけました。
そして、80年代にはナイル・ロジャースと組んで
“レッツ・ダンス”で、真の意味での、カルト、ではない
スーパースターになるわけですよね。
ここまで、自分のイメージを変化させながら、
そしてあくまで売れ線ではない、アーティスティックな面を強烈に
主張しながら、セールス、人気を保ってきた人は
いないんじゃないでしょうかねぇ。
さぁ、特集最後は、アルバムでも最も人気のあるこの曲。
宇宙からスーパースター:ZIGGY STARDUSTが降臨する瞬間を
歌ったナンバー“STARMAN”です。
いやぁ、いつ聞いても、チープでクールでカッコいいアルバム。
1家に1枚、是非、GETしてくださいね。
M. STAR MAN / DAVID BOWIE