THE KNACK “GET THE KNACK”
2011-05-29
『THE KNACK“GET THE KNACK” 特集』
M. LET ME OUT / THE KNACK
1曲目にお送りしたのは、1979年のそのアルバムから、
オープニングを飾るナンバー“LET ME OUT”です。
意外に、THE JAMみたいな、モッズ感、パンク感が
ありますよね!
マイ・シャローナのメガ・ヒットで、当時一躍時の人!
となったザ・ナック。
でもでも、その他の曲たちも粒ぞろい!で、演奏もタイト!
なぜ、長続きしなかったのか、不思議でなりませんね・・・。
M. GOOD GIRLS DON’T / THE KNACK
さて、次にお送りしたのは、1979年のそのアルバムから、
全米11位のシングルヒットナンバー“GOOD GIRLS DON’T”です。
そう。
マイ・シャローナ以外にも、ちゃんとヒットナンバーあるんですよ。
本当の意味での一発屋ではないんです。
ちなみに、PVは完全にビートルズの映画『HELP!』
の“恋のアドバイス”のパロディ!さすが!
アメリカのニュー・ビートルズ。
さてさて、THE KNACK。
1978年に結成された、アメリカ・ロサンゼルスのバンドです。
メンバーは4人。
ボーカル&ギターのダグ・ファイガー
ギターのバートン・アヴェール
ベースのプレスコット・ナイルズ
ドラムのブルース・ゲイリー
という面々です。
地元ロサンゼルスのクラブで演奏しながら、
デビューのチャンスを待っていた彼らは、
1978年の11月に、なんとブルース・スプリングスティーンの
前座を担当。そのクラブのオーナーに、
“エルトン・ジョンを超えるエキサイティングなステージ!”
なんて絶賛されて、一気にロスの注目株となります。
あの!ローリング・ストーン誌も、彼らの演奏を称賛。
そして、レコード会社数社の争奪戦の末、
キャピトル・レコードからのデビューが決まります。
M. FRUSTRATED / THE KNACK
さて、結成1年足らずでデビューが決まったザ・ナック。
スウィートのヒット曲や、スージー・クワトロ、ブロンディ
なんかを手掛けた売れっ子プロデューサー:マイク・チャップマン
と共に、たった11日間でこのデビュー作
『GET THE KNACK』を作り上げました。
制作コストは、たったの18000ドル。
たった11日間、ですから、本当にアマチュア時代にクラブで
演奏していた曲たちをそのままレコーディングしたんでしょうね。
実にシンプルでありながら、そういった、LIVE感、パッションが
詰まった作品になっています。
そんなナックの1979年のデビュー時につけられた
キャッチフレーズは、“アメリカのニュー・ビートルズ”。
服装は、ブラック&ホワイト。
白いシャツに黒ベスト、もしくは白いシャツに細い黒ネクタイ。
ベースはリッケンバッカ―!
アルバムジャケットも、ビートルズのMEET THE BEATLESの
パロディ。
と、本人たちの意思とは関係なく、非常にビートルズを意識した形で
売り出されました。
しかし、そういった一言で表現できるバンドではありません。
パンクのパッション、モッズのファッショナブル感、
ディスコの高揚感、ビートルズのPOPセンス、
ハードロックのダイナミズム。
1970年代最後に、その全てをかき混ぜて、
自分たちなりに理解して表現した、本当に頭がよくて、
センスのいいバンドだったんでしょう。
そして、その魅力が全て詰まったのが、このファーストシングルです。
シングルチャートでは6週連続1位。
とにかく、当時売れに売れて、今でもCMソングなんかに
引っ張りだこのスーパーヒット作です。
M. MY SHARONA / THE KNACK
次にお送りしたのは、1979年のそのアルバムから、
問答無用のメガ・ヒットナンバー“マイ・シャローナ”です。
エドはるみのテーマソングとしても有名!
とにかくシンプルだけど、衝撃的にかっこいいギターとベースの
オクターブユニゾンのリフ。
中盤の複雑で、パワーポップな展開。
とにかくPOPで、とにかくロックで、かっこいい!
まさに、この衝撃的なデビュー曲で、
彗星のごとくチャートに現れたナック。
シングルはさっき言った通り全米6週連続1位。
アルバムも、5週連続1位。
っと、とんでもないヒット、となりました。
ロック、というものが歌詞、メロディー共に、
徐々に小難しいものになっていく中で、
初期ビートルズが持っていたような勢いと、ストレートな歌詞、
素晴らしいメロディーが、多くの若者の心をつかんだんですね。
M.SIAMESE TWINS
(THE MONKEY AND ME) / THE KNACK
さて、この『GET THE KNACK』で、
一気に世界のスーパースターになったザ・ナックですが、
皆さんもご存じのように、その後はとにかく苦労します。
セカンドアルバムまでは、なんとか勢いで売れますが、
それ以降は人気が急降下。完全に“一発屋”。
英語で言うと“ONE HIT WONDER”。
まぐれあたり、なんて言われてしまいます。
1982年には、ついに解散。
その後は、再結成と解散を重ねますが、
作品がヒットすることはありませんでした。
2006年にはドラムのブルースが死去。
そして、昨年には、ボーカル&ギターでバンドのキーマン:
ダグ・ファイガーがなくなって、
あの歌声は永遠に聞けないものとなってしまいました。
でも、『GET THE KNACK』があればいつでも、
珠玉のパワーポップを堪能できます!一家に一枚、ぜひ!
M. (SHE’S SO) SELFISH / THE KNACK