Dr.Feelgood!!
2011-05-09
『カミソリR&Bビート
Dr Feelgood“Down By The Jetty” 特集』。
1975年のDr. Feelgoodのデビュー作。
全曲モノラル録音、という潔さ!最高のロックが詰まっています!
M. I DON’T MIND / Dr. Feelgood
1曲目にお送りしたのは、1975年のそのアルバムから、
“I DON’T MIND”です。
若いロックファンは、“まるでTHE BAWDIESみたい!”
って思うんじゃないかな?
あ!昔ミッシェルが言ってたバンドは、これなんだー、
って思う人もいるかもしれません。
ストーンズ、アニマルズなど、イギリスで脈々を受け継がれた
R&Bテイストのロックバンド、と言ってしまえばそれまでですが、
このグルーヴ。そしてウィルコの切れ味鋭いギター。たまりません
M. SHE DOES IT RIGHT / Dr. Feelgood
さて、次にお送りしたのは、1975年のそのアルバムから
“SHE DOES IT RIGHT”です。
最高のR&Rナンバー!
このギターの切れ味、なんなんでしょう?
素手でテレキャスターをかき鳴らし、
5,6弦のリズムの刻みと、高音弦のリードプレイを同時にやる、
という変態的なプレイ。
カミソリのような切れ味で、そしてステージ上のむちゃくちゃな
アクションからマシンガン・ギター、なんて言われ方もしますよね。
このウィルコ・ジョンソンのギターこそが、Dr. Feelgoodです。
シナロケとか、ウルフルズ、ルースターズ、ボウディーズなど
いろんな日本のバンドが影響を口にしていますが、
まさに、このウィルコのギターをサンプリングしたように・・・、
パッションまで乗り移ったかのように演奏したのは、
元ミッシェル・ガン・エレファントの故・アベフトシさんですよね。
そして、そのアベさんのおかげで、このDr. Feelgoodが
日本で再評価されたんですよね。
M. ALL THROUGH THE CITY / Dr. Feelgood
次にお送りしたのは、1975年のそのアルバムから、
“ALL THROUGH THE CITY”です。
アルバムタイトルは、この曲の歌詞の一部からとられてますね。
さて、Dr. Feelgood。
イギリスのパブ・ロック・シーンを代表するバンドです。
そもそも、パブ・ロックシーンが出てきたのが、1970年代はじめ。
それまで、イギリスのパブで演奏されていたのは、
大概がアイリッシュ・トラッドか、
ジャズかカントリー&ウェスタンでした。
でも、あるパブの主人が、
“なんだかそれじゃ面白くねぇなあ、世の中はこんだけROCKが
ブームなんだから、ROCKバンドだしちゃうか!”
と思い立って、ROCKバンドを主演させ始めたんですね。
そして、この目論見は見事当たります。
ストーンズ、THE WHO、そしてビートルズ(は既に解散)、
ツェッペリン、キング・クリムゾンなんかのイギリスの
ROCKバンドは、既に大金持ちで大ホールで演奏する
世界のスーパースター。
そんなセレブに飽き飽きしていた労働者の若者にとって、
労働者の苦労を、シンプルなR&Rで歌ってくれるバンドたちは、
本当に身近なヒーローとなりました。
M. ROXETTE / Dr. Feelgood
お送りしたのは、1975年のそのアルバムから、
“ログゼット”です。
あのスウェーデンの人気グループ:ロクセットの名前の由来にも
なった曲ですね!リー・ブリローのハーモニカが堪能できます。
さてさて、さっきの話のつづき。
1970年代のはじめに人気となり始めたパブ・ロック。
本当に身近な労働者のヒーローとしての立ち位置を確実に
築いていきました。
そして、そのタイミングを完全にシンクロして生まれたのが
Dr.Feelgoodなんですね。
1971年に、リー・ブリロー、ウィルコ・ジョンソン、
ジョン・B・スパークス、ビッグ・フィガーの4人で結成されました。
実はウィルコなんて、元々は高校の国語の先生だったりして、
読書好きのインテリだったりするんですが、
一旦LIVEとなると、もーーー、とにかく凄まじい鎖につながれた
狂犬のように大暴れ。
血だらけでギターをかき鳴らして、異様な目つきで客をにらみつけて
開脚ジャンプを繰り返す、というTHE WHOも真っ青のアクションを
見せつけて、一気にパブ・ロック・シーンの急先鋒、となりました。
M. KEEP IT OUT OF SIGHT / Dr. Feelgood
1970年代前半。イギリスのパブ・ロックシーンの急先鋒となったDr.Feelgood。そんな彼らがデビューしたのが1975年です。
アルバムは勿論、今日特集している『DOWN BY THE JETTY』。
完全モノラル録音。
ストーンズ、アニマルズなんかの先輩バンドが確立した
R&BテイストあふれるR&Rを、70年代仕様にさらに
アップグレードしたそのグルーヴは、
一気にイギリス中の若者の心をとらえ、
そのすさまじいLIVEパフォーマンスと共に、大人気となります。
ほとんどの曲を書いたウィルコ・ジョンソンは、
ソングライターとしても認められ、そしてギタリストとしては、
その後のイギリスのギタリストの全てに大なり小なりの影響を与えた、
と言われるほどに偉大な存在となります。
そして彼らの成功を見て、パブ・ロックバンドが次々に出現。
この流れが、後のロンドン・パンク・ブームへとつながっていきます。
M. BOOM BOOM / Dr. Feelgood
さて、その後、Dr.Feelgoodの人気はさらに過熱。
サードアルバム『STUPIDITY』では何と全英1位を獲得するなど、
スーパースターとなっていきます。
ただ、その後はバンド象徴でソングライターの
ウィルコ・ジョンソンが首になるなどドタバタの連続。
もちろん人気は下降線。
でも、なんと今でもやってるみたいですよ。
オリジナルメンバーは1人もいない、
というとんでもない状況ではありますが・・・。
まぁ、とにかくDr. Feelgood。
知名度はイマイチですが、
日本のROCKシーンに確実に、そして強い影響を残したバンドです。
ROCK好きなら、避けては通れないでしょう。
M. THAT AIN’T THE WAY TO BEHAVE
/ Dr. Feelgood