BECK, BOGERT & APPICE特集!
2011-01-16
『JEFF BECK史上・最強の3ピースバンド
BECK, BOGERT & APPICE特集』。
孤高のギタリスト:JEFF BECK、そしてヴァニラ・ファッジの強力な
リズムセクション、ベース:ティム・ボガート、ドラム:カーマイン・アピス
という凄まじい3つの才能が集結したのが、BECK, BOGERT & APPICE。
全ての楽器が強力に自己主張する音楽は、明らかにやり過ぎ、ですが、
その勢いこそがまさにロック、です。
M. LIVIN’ ALONE / BECK, BOGERT & APPICE
1曲目にお送りしたのは、1973年にリリースされたアルバム
『BECK, BOGERT & APPICE』から、LIVIN’ ALONEです。
ギターは左右のチャンネルで弾きまくり!
ドラムもキメまくり、ベースはブリブリでボリュームもデカい!
っと、濃厚とんこつ背脂たっぷりラーメン!のようなサウンドですが・・・
それこそが、この3人の魅力、ですよね。
たった3人だけで作り上げた宇宙!
本当にしびれます。ロックトリオは、こうでなくっちゃ!
M.BLACK CAT MOAN
/ BECK, BOGERT & APPICE
さて、次にお送りしたのは、1973年のアルバム
[BECK, BOGERT & APPICE]から“黒猫の叫び”です。
ちなみに、この曲のボーカルはジェフ・ベック!
ギターの天才でも、歌は天才ではなかったみたいですね(笑)。
何とかロックっぽく歌って、しかもボーカルは全て2回歌ってダブルにして
ちょっと誤魔化しています(笑)。
でも、ベックの歌が聴けるだけで貴重ですよね。。。
さて、今日の主役BECK, BOGERT & APPICEですが、
その歴史を語るには、まずJEFF BECKの歴史からスタート
しなきゃいけませんね。
1944年、イギリスのサリー州で生まれたJEFF BECK。
小学校の時からピアノレッスンをスタートして音楽のイロハを学んだ彼は、
12歳のころに創世記のロックンロールに触れてロック熱におかされます。
弦が3本だけのガットギターで練習して、その後は、自分でベニアで
6本弦のギターを作った!という程の のめり込みぶり、だったそうで、
見かねた母親がエレキギターを買い与えて、彼の人生が決まります。
<ちなみに、はじめてのギターは日本製のグヤトーン!>
バンドを転々とする中で18歳のときに、あのジミー・ペイジに出会います。
すでにプロのセッションマンだった彼と意気投合して、
ベックはプロミュージシャンとしての道を歩み始めるんですね。
M. SUPERSTITION
/ BECK, BOGERT & APPICE
次にお送りしたのは、1973年のそのアルバムから、
名曲中の名曲ですね・・・“迷信”です。
もちろん、スティーヴィー・ワンダーの作品です。
スティービーのどファンキーなものとは違って、
ちゃんとヘヴィーロック、してますよね。
ロジャー・メイヤーがジェフ・ベックのために作った、といわれている
オリジナルのファズサウンドも見事、です。
歪んでいても芯があってセクシー。
こんなサウンド、出してみたいですよね。
さてさて、さっきの話の続きです。
18歳でジミー・ペイジに出会ったジェフ・ベック。
同い年で、すでにプロに足を突っ込んでいたペイジに感化されながら、
自らもセッションマンとして活躍し始めます。
そして、1965年にはあの!エリック・クラプトンの後任として
人気バンド:ヤードバーズに参加。
1時期は、ジミー・ペイジとのツインギター体制、という今となっては
嘘のような状況でスターへの階段を上りはじめます。
その後、ヤードバーズを脱退して、ロッド・スチュワートと、
ロン・ウッドと共にジェフ・ベック・グループを結成!
(って、出てくる名前が全てロックレジェンドばかり・・・)
1968年に『トゥルース』、1969年に『ベック・オラ』という
名盤を出してロック界に君臨します。
しかし、そんな中、他人に雇われるのが嫌になったのか、
ロッド・スチュワートと、ロン・ウッドがバンドを脱退。
スティーブ・マリオットなきSMALL FACESに加入してFACESを結成します。
1人ぽっちになったベックが次に目をつけたのが、
ヴァニラ・ファッジ、というバンドのリズム隊です。
1度LIVEを見て、その技術、パッションにKOされたジェフ・ベックは
その2人、ベース:ティム・ボガートとドラム:カーマイン・アピスに
ラブコールを送ります。
その仲を取り持ったのが、これまたツェッペリンのジョン・ボーナム!
(って、いちいち凄い!)
3人はセッションを繰り広げて、新バンドの構想を練っていきます!
1969年。
このスーパーバンドの結成は、目前に迫っていました。
M. SWEET SWEET SURRENDER
/ BECK, BOGERT & APPICE
次にお送りしたのは、1973年のそのアルバムから、
“SWEET SWEET SURRENDER”です。
アレンジからメロディー、コード進行まで、ほぼBOB DYLANの
『I SHALL BE RELEASED』ですよね。
コレ、よくパクリになりませんでしたね。
歌詞以外、同じ曲ですよね。ビックリ!
さてさて、1969年バンド結成目前だった3人でしたが、
そこでジェフ・ベックが交通事故で長期入院!
待ち切れなかった2人は、別バンド:カクタスを結成してしまいました。
<男気ねえなぁ・・・。>
失意のベックは、再度別メンバーでジェフ・ベック・グループを結成。
アルバムを2枚リリースしますが、
『やっぱり違う!あのリズム隊じゃなきゃ嫌だ!』
ということで、バンドメンバーを首にして、2人を
ジェフ・ベック・グループに招き入れます。
1972年、ついにBBAが揃うんですね。
しかし、こんな我侭3人と一緒にやりたい!というボーカリストが
全く見つかりません。
しょうがなく、ボーカルは3人で交代交代。
(それでもこれだけ歌えるのが凄い!)
1973年。3ピースロックバンドの最高峰!とも言われる名盤
『BECK, BOGERT & APPICE』をリリースします。
全ての楽器が激しく自己主張して、縦横無尽に入り乱れて、
最高にスリリングで激しく、アツい、最高のロックサウンドを作り上げました。
ジェフ・ベックをして、
『BBAは、3人が3人とも全てがやり過ぎ、だった。
うまくいっているときは、それがとにかく最高で、
奇跡の時速100マイルのブギーバンドだったけど、
うまくいかないときは、最悪なエゴのぶつかり合いだった。』
と言わしめたその3人のサウンド。
やっぱり、というべきか、この1枚のスタジオアルバム、
そして日本公演のLIVEアルバムだけを残して、バンドは崩壊。
以降、JEFF BECKは、ソロアーティストとして活動していくことになります。
もうこりごり、だったんでしょうね。
ただ、この中に収められている3人の宇宙は、本当に永遠の奇跡。
是非、この名盤をアナタもチェックしてみてください!
M. I’M SO PROUD
/ BECK, BOGERT & APPICE