THE BLACK CROWES 『Shake Your Money Maker』
2010-09-27
『The Black Crowes
“SHAKE YOUR MONEY MAKER” 特集』
カラフルでバブルな80年代が終わったばかりの1990年。
ロックのメインストリームは、徐々にリアルでルーツを
感じさせるものになっていきました。
GUNS N’ ROSESが口火をきって、
そしてイギリスからはクワイアボーイズが
往年のブリティッシュR&Rを復活させて・・・
そして・・・大本命が登場しました。
M. THICK N’ THIN
/ THE BLACK CROWES
1曲目にお送りしたは、1990年のその名盤から、
“THICK N’ THIN”です。
本当に、まるでスタンダードナンバーのように
シンプルなR&R・・・、とにかくかっこいいですね!
ノリノリのホンキートンクなピアノを聴かせてくれているのは、
彼らの神様:オールマンブラザーズ・バンドのチャック・リーヴェル!
さすがのグルーヴですね。
さて、こんな渋くて泥くさいR&R。
当時の音楽シーンでは完全な異端でした。
そんなTHE BLACK CROWESは、
1年後にはモンスターズ・オブ・ロックで、
7万人の観衆を相手にするほどのBIG BANDになるわけですが、
その経緯はまた後ほど・・・
M. JEALOUS AGAIN
スキマを埋めるコーラスも、シンセもなく、
あくまでバンドサウンドのみで構築されたシンプルなR&R。
イマでは、珍しくないかもしれませんが、
当時は本当に斬新だったんですよ。
CD時代に入ってからは、もっと音圧を!もっと緻密に!
楽器もコーラスも入れられるだけ入れちゃえ!
という流れでしたからね。
そして、スキのないミックス!
このMIXを担当したのは・・・、あの!大プロデューサー:
ブレンダン・オブライエンです。
レッチリ、パールジャム、ブルース・スプリングスティーンなど、
数々の名作を手がけた彼も、当時は無名のエンジニア。
この作品のヒットをキッカケに、彼も成功の階段を登っていく
わけですね!
さてさて、THE BLACK CROWES。
ボーカルのクリス・ロビンソンと、ギターのリッチ・ロビンソンを中心に
アメリカ南部のジョージア州アトランタで結成されたバンドです。
もともと、お父さんがミュージシャンだった、ということもあって、
はやくから音楽に興味をもったロビンソン兄弟。
周りのみんなVAN HALENを聴いていた時代に、マディー・ウォーターズ
ロバートジョンソンといった大昔のブルーズを聴いていた、らしいですから、
相当渋い子供ですよね。
同時に、ジョーコッカー、オーティス・レディングなどのソウル、
そして、もちろんオールマンなどのサザンロックも大好きだった・・・
ということで、まぁ、とにかくマセたガキだったんですね。
でも、だからこそ、胡散臭くない、本当にルーツに根ざした
ロックが体現できたわけです。
M. STRUTTIN’ BLUES
ミュージシャンの父親のおかげで、
ルーツミュージックに満ちた家庭に育った
ロビンソン兄弟は自然にバンド活動を始めます。
はじめてステージに立ったのは、兄クリスが18歳。
弟リッチが15歳のとき。
そこから、他のメンバーを入れ替え入れ替え・しながら、
自分たちの音楽を磨いていきます。
そして、ある日、ケンタッキー・フライド・チキンで
食事をしているときに、プロデューサーのジョージ・ドラクリアス
と知り合って、そしてそのプロデューサーが
彼らのLIVEをみたことで、THE BLACK CROWESの運命は決まりました。
ファーストアルバムにゲスト参加したキーボーディスト。
オールマン・ブラザーズ・バンドのチャック・リーヴェルは、
若いバンドに対してこう語っています。
『こういったR&Rをやるには、君達は恐ろしく若すぎる。』
1990年.時代錯誤のR&Rバンド:
THE BLACK CROWESがデビューしました。
M. HARD TO HANDLE
お送りしたのは、“HARD TO HANDLE”。
アルバムからシングルカットされて、ヒットしています。
もちろん、あの!ソウル界の伝説:オーティス・レディングの
カバーですね。
さてさて、話の続きですが・・・。
もちろん、彼らはデビューして、すぐにブレイク
したわけではありませんでした。
ドサ回りの過酷なツアーをスタートさせて、徐々に名前を売って、
大物の前座を務めるようになります。
ところが、ZZ TOP、という超大物の前座の最中に、
スポンサーのビール会社の悪口をステージで延々と喋ってしまいます。
あっという間に、前座は首。しかし・・・、
こういった体制に屈しない姿勢、
そして、時代遅れのルーツロックを体現する、という真摯な姿勢が
若者に圧倒的に支持されて、ブラック・クロウズは、
22ヶ月にも及ぶツアーの間、
400万枚もファーストアルバムを売り上げていきます。
M. TWICE AS HARD
さて、2年間にも及ぶ長いツアーの中で、
大ブレイクしたTHE BLACK CROWES。
アルバムは、全米で最高4位を記録。
1992年にセカンドアルバムがリリースされた時になっても、
まだまだチャートインしている、という超ロングヒットとなりました。
そしてその人気は海外にも飛び火。
イギリスのロックフェス:MONSTERS OF ROCKでは、
7万人の観客を前に圧倒的なパフォーマンスを披露しました。
その後の活躍は、皆さんご存知の通り!ですね。
セカンドアルバムは全米ナンバー1。
その後も、常にアルバムはチャートイン。
2002年~は活動を休止しましたが、
2005年には再結成。
今では、自らのインディーレーベルからアルバムを
リリースしてヒットさせる、
という音楽業界の常識もぶち壊しながら、
本能を刺激するR&Rを奏で続けています。
M. SHE TALKS TO ANGELS